「発泡スチロール(EPS)油化装置について」



  ★ EPS油化装置は現在も稼働中です!
  弊社では前社長の宇野秀敏(故人)が中心となり、『地球環境にやさしい』廃棄物の処理方法について長年研究・開発を進めて参りました。

  その活動は、下記のIWDS(総合ゴミ処理システム)に集約されますが、特にその中で中核となる 廃棄発泡スチロール(EPS)油化装置は離島における漂着発泡スチロールの有効な処理方法として実用化されました。

  長崎県対馬市や沖縄県鳩間島では、現地の皆様のご協力とご努力のもと、設置後十年以上経過した現在も油化装置が稼働を続けています
  ★ IWDS(総合ゴミ処理システム)とは?
  IWDSは、サンライフ株式会社が開発したリサイクルシステムです。発泡スチロール・野菜くず・廃食用油を投入することで、 堆肥原料(乾燥野菜くず)と燃料(システムを稼動する油化装置と発電機に燃料供給)が生成され、 しかも、システムの稼働にかかる電気代ゼロ、生ゴミ(野菜くず)処理費の大幅削減。経済的かつ環境にやさしい廃棄物処理を実現します。


  ★ サンライフEPS油化装置の特徴

  IWDSには各種の技術が組み合わせられていますが、その中核となるのは 発泡スチロールの油化装置です。
発泡スチロールは海産物の保存や梱包用緩衝材に使われていますが、それ以外に漁業や鋳物産業等幅広い分野で使用されています。

 日本各地の海岸、特に沖縄県や長崎県、島根県などの離島には毎年大量の発泡スチロール(主に漁業用フロート)が、漂着物として堆積しています。 これらの海洋漂着発泡スチロールは海水以外にも種々の不純物を含んでいるため、通常の方法では処分が難しく、 廃棄のため多額の費用が掛かります。 サンライフEPS油化装置の特徴はこのように不純物を含み、汚れた発泡スチロールを油に戻し燃料として使用可能にすることにあります。

  ★ 海洋漂着発泡スチロールの処理を可能とした特殊技術
  当初、フロート中の塩分、水分が問題になる程度と考えていたが、案に相違してフロートの中には難燃剤が混入していることが分かった。 通常、日本製のフロートには入っていないので、外国由来であるが、目視で混入の有無を判断出来ないので事前の分別は不可能である。

  難燃剤が混入したフロートを油化した場合のトラブルは装置の腐食、分解油の酸性化、残渣取出し口の閉塞など数多くあり、 これらは難燃剤の分解による臭素、臭化水素(酸)の腐食性と分解油中の主成分であるスチレンとの反応に起因するものである。

上記トラブルを防止するため、アルカリと尿素と水をフロートに添加したところ、分解釜の液相部の中和、 気相部及び凝縮器内の中和を効率的に行うことが出来た。中和物である臭化ナトリウムは残渣中に、臭化アンモニウムは主に凝縮器内に分布する。 なお、尿素のアンモニアへの分解に必要な水は、フロート中に含まれる水分(平均5~10%)が担っている。この結果、上記トラブルを全て解消 することが出来た。この様な中和の仕方は、塩ビやラップ類(ポリ塩化ビニリデン)が混入した場合でも有効と考えている。


  長崎県対馬市稼働の油化装置

   


  沖縄県鳩間島の油化装置